焚火の際に、火口(ほくち)として麻ひもは重宝されます。
簡単に着火することができますし、麻ひも自体が100均でも買えてしまうのが魅力です。
数本持っていけば、外でもその場でほぐして簡単に火口を作ることができます。
ですが、風があったりするとめんどくさいですよね。
今回は、自宅で麻ひもをほぐして準備してしまおうということで、3つの方法を試してみました。
火口としての麻
キャンプにおいて火をおこす方法は様々です。
ガスバーナーを使用したり、着火剤を用いて薪に火をつけることもできますし、このように簡単に火をおこすこともできますよね。
ですが、あえて手間のかかる作業をすることもキャンプの楽しみとも言えますよね。
焚火などのために火をおこそうとした場合、火を最初に着火させるるために用いる燃えやすい火口が重要になります。
着火した火口を火種として、薪などに点火することで火を大きくしていくわけです。
代表例として、
- チャークロス
- ファットウッド
- フェザースティック
- 枯草
樹脂などの発熱量が大きいものや乾燥度が高いものなどがあげられます。
松ぼっくりも火口に適しているとのことで、拾い集めてストックしている。
麻の繊維も火口としてはとても適しており、小さな火花でも火をつけることができます。
TERUも最初は市販された麻の火口を購入しました。
手のひらに収まるサイズであれば、数回は火口として利用することができると思います。
しかし、焚火で火をおこすということは火口によって上がった火を持続させ、薪に火を移し火力を安定させなければなりません。
少量の火口で火をおこそうとすると、焚き付けに火が移る前に消えてしまうこともありました。
そのようなことを繰り返して、火口がなくなってしまえば薪に火をつけることは困難です。
TERUのようにまだキャンプ初心者の方は、火口は大胆に使ってしまう方が良いですよ。
麻の火口の良いところは、100均で売られている麻ひもの撚り(より)を解くことによって簡単に大量生産できるところだと思います。
15cm程に切って数本持っていけば、その場で火口を作成し火おこしを始めることさえできるのです。
ただ、実際に外で麻ひもをほぐしてみると、風の影響があることで麻ひもをほぐす作業が煩わしいと感じてしまいました。
麻ひもをほぐしている最中に、風がふいてふぁーっと飛んで行ってしまう……。
風を遮るものがない河原でやっていたので作業環境にもよるとは思いますが、自宅で火口を作成し持っていくことにしました。
麻の繊維は、圧縮すればある程度はコンパクトになりますし、詰め込んで形が崩れたところで火口としては問題もありません。
麻の火口作りを3つの方法で試してみた
麻ひもをほぐすことを考えたときに、ねじって撚(よ)りを解いてあげればいいのだろうと考えていました。
しかし、調べてみるとほぐし方もいくつかあることがわかったので試してみることにします。
麻ひもに求めることは、大量生産です。
手でほぐせば「ながら作業」ができる
まずは、シンプルに手で撚りを解いてほぐしてみたいと思います。
15cm程に切った麻ひもをねじり、1本だったものが3本に。
さらにねじって撚りを解くと、非常に細い繊維束になりこれを丸めます。
2、3分あればピンポン玉にも満たないサイズの火口が出来上がり。
上級者の方であればこれくらいの火口でさっと火をおこしてしまうのでしょうか。
まだまだ、経験不足のTERUにとってはあまりに心許ない。
引き続きほぐしていきたいと思います。
15cmほどに切った麻ひもを20本ほど準備しました。
この量をほぐすとなると手間と時間がかかりますが、手でほぐすことのメリットはテレビを見ながらでも作業が進めることができること。
TERUもソファーに腰掛け、テレビを見ながら作業すること小一時間。
出来上がりはこんな感じです。
手のひらにこんもりとソフトボール大の麻の火口が完成しました。
100均で購入した麻ひもの10分の1も使ってない。
注意しておきたい点は、撚りを解くことによって細かい繊維束がぽろぽろと落ちていくこと。
ながら作業は可能ですが、テーブルの上で行ったほうが良いです。
水でほぐせば「大量生産」が望める
水を使ってほぐしていきたいと思います。
同じく15cmほどに切った麻ひもを20本ほど準備して、水の中でもむようにしてほぐしてみました。
ほんの少しもみ洗いするだけで端の部分がほどけてきた気がします。
さらに続けること数分。
これでほぐせたらすごく簡単に大量生産ができると思っていました。
ですが、もみ洗いしている感触になんとなく違和感……。
水からあげてみると全然ほぐせてる様子はなく、しっかりと残るひも感……。
それからはシャワーの勢いでほぐしてみたり、リンスを入れるとほぐれやすいということで試してみたりしました。
たしかにリンスをいれると、なんとなくほぐれやすくなっているような気がする……。
リンス水に1日つけおきしたらほぐれやすくなるかな?なんて思い、1日放置してみたりもしました。
水洗いだけの場合に比べると、だいぶほぐれてきたかなと思います。
そして、屋外にて乾燥。
しかし、あまりにほぐれていないことに衝撃……。
手でほぐしたものと比べると段違いでした。
これでも火口として利用できるとは思うけど、残念な結果……。
ひもの長さに注意
水でほぐす方法の再挑戦です。
今回は、ひもの長さを5、6cmに切ってほぐしていこうと思います。
同じようにリンス水の中でほぐしていくのですが、やり始めてすぐに前回とは違う感触。
手を洗う容量で5分ほどもみほぐしていきます。
すると、前回に比べ短時間できれいにほぐすことができました。
準備の段階でひもを短く切っておくことが重要だったようです。
そして、水でほぐしたときにはどうしても乾燥時間がかかってしまいます。
キッチンペーパーなどで水気をきっておくほうがよいのですが、その際に水切りネットを使用すると良いです。
水でほぐした麻ひもは、細かい繊維束が水の中に漂っている状態。
水切りネットを使用すれば麻をひとまとめにできますし、そのまま流水で洗い流すことができるので大変便利です。
それでも乾燥にはやや時間がかかります。
ですが、乾燥した麻は手でほぐしたときと変わらないくらいにふっくらと仕上がりました。
乾燥時間はかかるけど、この方法であれば大量に作ることができそう。
ナイフでほぐせば「あっという間」の作業時間。
最後にナイフを使って麻ひもをほぐしていきたいと思います。
使用するのはモーラナイフ。
スウェーデン発のナイフブランドで、安価なものからあるので初めてアウトドアナイフを購入しようという方にはぴったり。
ラバー素材の握りやすいハンドルと適度な刃長は初心者でも非常に扱いやすく、バトニングに用いるなどラフに使用しても問題ない魅力的なナイフです。
同じように15cmほどにきった麻ひもを準備して、モーラナイフを立てるように添えたら麻ひもに沿って滑らせていくだけの簡単作業。
しばらくすると、麻ひもの先にほぐされた状態の麻が塊となってできてきます。
ナイフに力を込める必要はありませんが、麻ひもはしっかり固定する必要がありそうです。
手で固定しても問題ないですが、麻ひもを固定する工夫をすればもっと楽に作業ができそう。
数十回ナイフを滑らせれば、あっという間にピンポン玉くらいの塊ができあがります。
ただ、この作業は非常に机の上が汚れる……。
出来上がった火口を転がせばまとまってくれますが、一番周りが汚れやすい作業かもしれません。
ですが、作業時間(仕上げるまでの時間)は断トツではやいです。
ピンポン玉サイズの麻の火口であれば、数分で作れてしまいます。
まとめ
今回は3つの方法で麻の火口作りをしてみました。
一番単純な手でほぐす方法は、作業自体が単調であるためながら作業で行うこともできます。
なんとなく手持ち無沙汰の時に手を動かしてれば、気づいた時にはこんもりと麻の火口が出来上がっていますよ。
水でほぐす方法で重要なことは、短く切った麻ひもで行うことでほぐれやすくなります。
手を洗う感覚でほぐしていけば、あっという間に大量に作り上げることも可能です。
しかし、乾燥時間がかかるので他の方法に比べると若干仕上がりまでに時間がかかります。
ナイフでほぐす方法は、作業時間が短くて済みます。
ナイフを使うので注意は必要ですが、数回分の火口があっという間に作れるところが良いですね。
作業場所の周囲が麻の繊維束で特に汚れやすいですが、どの作業でも同じであるといえます。
今回は、自宅で火種の準備してしまおうと考え、麻ひもから火口を作りました。
みなさんはどの方法で麻の火口を作ってみようと思いましたか?